「九条の会」奈良

奈良弁護士会歴代会長有志による声明

安全保障関連法案の廃案を求める
   奈良弁護士会歴代会長有志による声明

 現在、国会で審議中の安全保障関連法案(以下「本法案」という。)については、日本弁護士連合会及び全国の52単位弁護士会のすべてが、憲法9条の戦争放棄・恒久平和主義に反し、本来、憲法改正によらなければならない事項について、法律の制定・改正のみで実現しようとするもので立憲主義にも反するとして、法案の撤回・廃案を求める決議や会長声明を公表している。
 奈良弁護士会も、6月15日に、「安全保障関連法案の廃案を求める会長声明」を公表しているところであるが、国会審議の過程で看過できない状況が生まれているので、歴代会長有志の名において、あえて本声明を発表するものである。
本法案については、とりわけ武力攻撃事態法及び自衛隊法の改正案において、集団的自衛権の行使は許されないとしてきた従来の政府解釈を180度転換して、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」(存立危機事態)には集団的自衛権の行使を認める場合があるとしている点について、大多数の憲法学者から違憲の指摘がなされ、元内閣法制局長官らからも違憲ないし従来の政府解釈からの逸脱が指摘されている。
 多数の国民の反対意見を無視し、違憲の疑いの強い本法案を、「数の力」により可決成立させることは、国民主権の基本原理にも反するものであり、到底認められない。
 戦前、弁護士会は、戦争の開始と拡大に対し反対を貫くことができなかったのみならず、軍への献納までせざるを得ない状態に追い込まれた。奈良弁護士会も、他の弁護士会と同様、数次にわたり軍への献納を行った経緯がある。
 戦後、弁護士及び弁護士会には「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という使命が与えられた(弁護士法1条)。今、弁護士及び弁護士会が「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という立場から意見を述べ行動しなければ、弁護士及び弁護士会は、先の大戦への真摯な反省と、そこから得た痛切な教訓を生かせないことになる。
 私たちは、憲法の恒久平和主義や基本的人権の保障及び立憲主義を守り抜くために、自衛隊の合憲性や憲法9条の改正問題についてどのような立場をとるかにかかわらず、本法案に強く反対し、廃案を求めると同時に、平和と人権、そして立憲主義を守る活動に市民と共に取り組む決意を表明するものである。
2015(平成27)年8月12日

奈良弁護士会歴代会長有志(五十音順)
朝守令彦  飯田 誠  以呂免義雄  内橋裕和  北岡秀晃
兒玉修一  相良博美  佐藤公一   佐藤真理  田川和幸
多田 実  田中啓義  中川和男   中西達也  中村 悟
中本 勝  西田正秀  福井英之   藤井茂久  藤本卓司
本家重忠  松岡康毅  三住 忍   峯田勝次  山﨑靖子
山田磯子  吉田恒俊            

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by 9jo-nara | 2015-08-13 12:44
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