「九条の会」奈良

伊藤真講演会

奈良市内の「九条の会」及び「九条の会」奈良は12月20日、伊藤真弁護士・伊藤塾塾長を招いて憲法講演会を奈良市のならまちセンター市民ホールで開き、230人が参加しました。
主催者を代表して、「九条の会」奈良の代表世話人である田川和幸弁護士が挨拶(別項)し、奈良蟻の会合唱団が「新しい憲法の話し」などを合唱しました。
 伊藤氏は「今こそ『憲法の力』をつけようー今を生きる私たちの責任ー」と題して1時間40分にわたって講演、ユーモアたっぷりの熱弁にしばしば会場内は笑いに包まれました。
 伊藤氏は、平和協力、国際貢献という名目で戦争が行われる、そのまやかしにごまかされてはいけないとのべ、人のいのちを奪う戦争はどんな名目であっても許されないと強調しました。
 そして伊藤氏は、日本が1874年の台湾出兵以来、1945年の終戦まで71年にわたるアジアの国々への加害の歴史的事実に向き合い、現在海外への自衛隊派兵というとんでもない方向に進ませず、将来、いっさいの戦争を放棄する積極的非暴力の平和主義を実現するという理想を指し示す、ここに憲法九条の役割があると強調しました。
 また「憲法とは何か」と問いかけた伊藤氏は、戦前の治安維持法の例を引きながら、国会で多数で決めたからといって常に「正しい」とは限らない、多数で奪ってはならない価値がある、それは人権であり、多数だからといってやってはならないのが戦争であるとのべ、憲法とは国家権力を制限し、人権を保障するものである、これが立憲主義の考え方であるとのべました。
 そして憲法九条は理想である、現実と理想とは違うという人がいるが、違うからこそ憲法九条の存在価値がある、九条の理想に向かって進むために九条の会のアピールがのべているように「一人ひとりができる、あらゆる努力をしよう」と結びました。

     

「九条の会」奈良代表世話人田川和幸弁護士の挨拶
今年になって「9条の会」奈良の代表世話人の一人に加えていただきました弁護士の田川と申します。
奈良市をはじめ北和の「9条の会」の皆さん、今回皆さんがご一緒になって本日の集会を開催戴きましたこと、まことに有難うございます。また、みなさんが日頃それぞれ創意工夫をなされ自発的に多様な活動を展開してこられたことに対しても、「9条の会」奈良を代表して、厚く御礼申し上げます。ところで、全国に多くの9条の会ができて、それも大きな力になって、憲法改正の動きが鎮静化しました。そのこと自体望ましいことと、皆さんと共に喜びたいと思います。
しかし、その間にも、憲法9条は政府によって踏みにじられてきたことを忘れてはなりません。その一例が自衛隊のイラク派遣です。人道支援、国際貢献と言われて行われてきました。この5年に亘るイラクへの自衛隊の派遣については、当初小泉元首相が「自衛隊が活動する地域は非戦闘地域だ」と詭弁をろうして陸空自衛隊を派遣したものでした。今年4月名古屋高裁が自衛隊のイラク派兵が憲法9条に違反すると判決したことは、皆さんも既にご承知のとおりであります。この判決の素晴らしさは、平和的生存権を具体的な権利としてみとめた点にありますが、私がここで披露させていただきたいのは、この判決を獲得した弁護団の姿勢です。その素晴らしいところは、どこでどんな戦闘が行われたか、それにより市民を含んで15万余りの人が殺されたこと等、いずれも皆さんが新聞報道で知っているイラクの悲惨の現実を主張立証し、その一方で国会答弁なども利用して、自衛隊がイラクで用いたC-130H輸送機がアメリカ軍が開発したパラシュート部隊のための輸送機であること、その輸送能力が完全武装の空挺隊員を64名、物資を最大20トン運ぶものであること、同機が飛行中地対空ミサイルを回避するための兵器であるフレアという火炎弾を装備していること、航空自衛隊は派遣前硫黄島でその火炎弾発射訓練を行っていたこと、この輸送機は当初イラク南部タリルに往復していたが、その輸送対象のほとんどが、人道復興支援のための物資でなく、アメリカ軍を中心とした多国籍軍の兵員であったこと、後半はバグダット空港に飛んでいたが、バグダッド空港ではフレアを自動発射していたこと、その輸送も国連関連の輸送支援は少なく、大多数は武装したアメリカ軍を主にした多国籍軍の兵隊さんであったことを主張立証して、自衛隊の行為は多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援に当たると裁判所に判断させ、加えて従来の自衛隊の海外活動に関する政府見解を用いても、自衛隊のイラク派兵は憲法に違反すると判断させたことです。   
このように、具体的に一次資料を用いて、自衛隊の行動を分析して、実質的な改憲を暴き阻止する姿勢も、我々9条の会の活動に必要ではないでしょうか。最近の新聞では、航空自衛隊の輸送機がイラクから日本に帰って来ることを契機として自衛隊のイラク派兵に関する記事が多くみられますが、その中には、武器・弾薬の輸送はイラク特措法での実施要項では禁じられていたというものの、自衛隊が輸送した荷物は厳重に荷造りされていて中身を確認することができなかったので、武器・弾薬も輸送していた可能性が否定できないとの趣旨の記事もありました。このような、国民だけが真実を知らされないで、違法・違憲の行為が堂々と政府によって行われていることがまだまだありそうです。今年には防衛庁が防衛省になり、国際貢献がその任務になりました。私たちはともすれば、人道支援、国際貢献という名に弱いのですが、名古屋高裁の判決に学んで、それらの中身を吟味する姿勢を持つことの大切さを感じます。来年は、アメリカ軍がアフガニスタンへ転戦しそうで、そこでも自衛隊の国際貢献が期待されているといわれ始めています。これにも目を離なせません。
この後、奈良蟻の会合唱団のうたごえ、伊藤真先生の講演があります。伊藤先生は、9条にかぎることなく、日本国憲法の素晴らしさを分かりやすい語り口でお話しくださいます。ご清聴をお願いします。
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by 9jo-nara | 2008-12-21 20:16
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