「九条の会」奈良

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香芝市・広陵町・葛城市九条の会がピースウオークを実施

  5月9日午後2時から、香芝市・広陵町・葛城市の三つの九条の会が共催して、5月度「九の日宣伝」とピースウオークを実施しました。参加者は43名でした。この宣伝では、チラシとチッシュ350枚と風船125個を配りました。
 宣伝後、エコールマミから近鉄五位堂駅前までの4キロをピースウオークをして宣伝カーを伴走に元気よく行進しました。

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by 9jo-nara | 2010-05-09 19:48 | 地域の「会」の活動

この小森陽一先生の講演記録

 これは4月3日、九条の会福岡連絡会の5周年記念として「いのちと憲法を語る」音楽と講演のつどいでの小森陽一先生の講演記録です。先日の奈良での講演もほぼ同様の展開でしたので紹介します。(テープおこしは物理的に無理ですので・Y)。なお奈良県では講演の冒頭は前日北海道で講演されたこともあり「北海道新聞」の社説の紹介から話し始められました。

 皆さんご存じのように、九条の会のアピールをだしたのが2004年の6月10日でした。読売新聞という新聞社は、4月の第一週に、今も4月の一週ですよ、ここが大事なんです。4月3日にこんな大きな集会が開かれているという、全国的な意味があるんです。

 2004年4月第一週の世論調査の結果はですね、65%の人たちが「憲法変えた方がいい」と回答し、「憲法変えない方がいい」という人が20%台でした。 このときに今本当の意味で、憲法9条をはじめとする日本国憲法を守るためだけではなくて、しっかり生かしてゆく日本国憲法を呼びかけて、「一体いつ立ち上がるんだ」89年の長い生涯に、運動というものをなさったことの無かった、亡くなられた加藤周一さんが「ここでやるしかない」という決心をされたんですね。

 まず誰に最初に相談しますかと言ったら、大江健三郎くんだろうと言われた。

  信頼感をたかめる人たちにはたらきかけ、あの9人の呼びかけ人や、九条の会のアピール文面で一致しました。9条の会のアピール、お分かりでしょう。あの9人がどれだけ自己主張の強そうな人か、あの9人とまず同じ文面で一致するということは至難の技だったんです。

 そして記者会見をしました。すべての新聞社の報道は黙殺でした。その日のテレビのニュースでは、15秒の放送でした。15秒で一体なにが分かりますか。ただ、老人がズラッと並んでいるだけ。翌日は、新聞はほとんどベタ記事です。ベタ記事というのは、ほんの数行です。ですからもう、9人のお名前すら載らないんですよ。「井上ひさしさんら9名」「大江健三郎さんら9名」、残り8人は「ら」一文字の中に押し込められている。

 お分かりですね、2004年ですから、2003年3月にアメリカとイギリスがイラク攻撃をはじめて、日本の小泉政権はそれに全面的に協力するというかたちで、陸上自衛隊を戦場に派兵してゆく、「9条があるから国際貢献ができないんだ」と、その前から小沢一郎という政治家が言っていたフレーズが、毎日のように報道されていたのが2004年です。ですから、「憲法変えたがいいが65%」になっていたんです。そしてそもそも、小泉劇場がどうやって始まったかといえば、先ほど品川正治さんがおっしゃった、危険な商品を売ってそれで崩壊すると分かって売ってるわけですからね、崩壊したときには日本の郵便貯金と簡易保険を自分たちの救済策にあてるというために2001年に郵政民営化を公約に掲げて小泉純一郎が総裁選に出た訳でしょ。絶対アメリカは、橋本龍太郎にやらせたくなかったんですよ。  

 橋本龍太郎という政治家は総理大臣のときにあの「普天間基地を返還させる」ということを、日米首脳会談で交渉した総理大臣であり、さらに外国人記者クラブの講演の後で、質問させ、「最近はロシアも中国も経済力をつけていろいろな国の国債を買ったり売ったりする、しかし不思議なことに日本は双子の赤字をかかえている、国家財政も赤字、貿易も赤字と、借金だらけだ、アメリカの国債をずっと買い続けて一度も売っていませんね、何か特別な意味があるんですか」という記者クラブの質問が出た。そこで橋本龍太郎は、日本語でね「私だって売りたいという、願望に駆られないことはない」と3重否定で答えた。通訳が面倒くさいので「売りたい」と伝えた。それでアメリカの新聞で大バッシング。

 岸信介が1960年に日米安保条約改定をしたあと、今年で改定50年ですね、改定した後、軍事同盟のアメリカが、「ソ連の核の脅威に対して核の傘で日本を守る、この見返りに日本は毎年アメリカの経済要求を聞け」郵政民営化、週休2日制みんなそうです、一体何百兆円損したか分かりません。そういう中でアメリカの赤字国債を国の税金で毎年買わなければならないようになっているんですよ。橋本は絶対総理大臣にさせたくないというあのころから、郵政民営化をねらっているアメリカの保険会社だったでしょう。AIGグループ、AIUグループ、アリコ、アフダック。「ア」がついたのは要注意。

 小泉が2002年に突然、北朝鮮を訪朝した後、日本人拉致問題でメデイアは大バッシングで、「北朝鮮問題があるから日米安保条約体制を強化しなければならない。」「アメリカの軍事行動に協力しなければならない」と、大宣伝をやっていたのが03年、04年なんです。

 「9条の会」なんてもってのほかだったんです。だから小田実さんは、全国で講演会をやるしかない。東京は7月24日だと、日にちまで決まっているんです。何で7月24日ですかと聞いたら、9人がみんな空いてる日だというんですね。さすが前衛的な活動家だと思いましたね。でも東京に、千名以上入る会場がないんですよ。そうしたら、ある宗教者から電話があって、私は某有名ホテルのオーナーと宗教的儀式をつかさどっている。7月24日は宴会場が3部屋続きで空いている、これをぶち抜くと千名以上入る。その某有名ホテルの名前を聞いて背筋が凍りましたね。運動がはじまって一日目ですから、お金って私の貯金ぐらいしかない。そんなとこ借りられないと思ったら、しばし沈黙が続いたので、その宗教者の方は、「値段を心配でしょうが、私は十分できる額に値切りました」宗教者が値切るのか、でこの運動のありかたの確信を持ちましたね。 そこからはじまって全国の主要都市で第2会場、第3会場を埋めるかたちで成功させ、そして2004年の年末、那覇でやりました。 琉球新報、一面報道。小田実さんは嬉しそうに朝のコーヒーを飲みながら、「久々に俺は一面を飾ったよ。」

 そこから呼びかけに応えて、それぞれの地域の九条の会をつくっていただいて、2005年の3月、福岡で「9条の会連絡会」が主催するところまできた訳ですね。2005年までに全国で九条の会が二千。

 このときには小泉純一郎の郵政民営化は、「YESかNOかの国民騙し」に、国民はだまされてしまった。衆議院では自民党と公明党が3分の2以上とって、いつでも憲法改悪できるという状況になったんですね。そしてこの郵政選挙は9月11日でした。その2ヶ月半後10月28日に自民党は「自民党新憲法草案」という明文改憲の案を出したんです。そこで明確に9条2項つまり「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」という戦力の不保持と「国の交戦権を認めない」というまさに日本国憲法の独自性を持っているこの条文を削りとって、「自衛軍の保持」を明示した、この新憲法草案ができて、これが新聞に発表された2005年10月29日から今問題になっている普天間基地の移設先を名護の辺野古にするとかいうことを含めた、世界的な規模における米軍の再編成の中で、日本のアメリカ軍の基地をどう変えて行くのかという、協議が始まるんですよ。何のための憲法改悪かということははっきりしてた。アメリカの戦争の片代わりに日本人の命を、命の日本人の金でやる、それが明らかになってきた。

 2005年はまだ全国で二千、2006年に四千を大きく九条の会が突破します。2007年には六千を大きく突破します。毎年二千づつ地域の9条の会が増えてきた。

 そして2007年自らの任期中に新憲法制定をする改憲を明確に方針に掲げた安倍政権、国会では改憲手続の国民投票法の委員会が強行されていた。その2007年の4月第一週読売新聞の世論調査、で3年続けて「憲法変えない方がいいという人」が増えつづけている、「憲法変えたほうがいいという人」が減り続けていると悔しそうな報道をしたんです。3年続けてというのは、05年、06年、07年つまり9条の会が草の根で広がればその分だけ、はっきりと世論は「憲法を変えない方がいい」という人が増えて、「変えた方がいい」という人が減るという状況が起きたんでしょう。

 ですからこの報道があった10日後、当時の民主党の代表の小沢一郎が、安倍晋三政権が進める「憲法改悪路線」には乗らない、当時国民投票法の議論がされていた「委員会」の民主党の理事をおろすわけです。

ここで安倍晋三は小沢民主党の支援をはずされたわけですね。ですから2007年7月19日の参議院選挙では民主党を中心にした野党が参議院で多数になるという、ねじれ国会になったわけですね。そしてその参議院選挙の2日後、小沢一郎が記者会見をして、安倍晋三政権が進めようとしている2001年のアフガニスタン戦争から始まったインド洋でのアメリカ軍をはじめとする艦船に日本の税金で給油するという、テロ対策特措法がありますね、その延長に反対すると言ったんです。しかも「憲法違反だ」といったんです。

 私は小沢一郎という政治家の口から「憲法違反」という言葉がでるとは全く思っていませんでした。だって小沢一郎こそが湾岸戦争のときに、会見で「完全武装で自衛隊をイラクに出してもいい」と言い出して、「9条があるから国際貢献ができない。9条こそ、無くそう」というキャンペーンをしてきたわけでしょう。

 ですから私たち九条の会の草の根の運動で、国民の世論を一つひとつ変えていった。なかなか皆さんね、実感はないと思うんですよ。でも、ちょっと考えてみてください、地域の9条の会が持続的に活動している。その地域の人々はどいう日々の日常を送っているのか、たとえば9の日に自分たちの地元の電車の駅で毎月、「九条守りましょう」とビラをまいたり宣伝をしているわけです。ズーッとやってるわけですよ。それを1年、2年と見ていると、北朝鮮でガタガタしても、自分も「9条守りましょうと言っていいんだな」と、2年たち、3年たつと雰囲気が変わってくるわけですね。これはね「継続は力なり」です。だから段々署名をする人が増えていったりする。 自分の居住区で過半数の人たちに「九条絶対変えない」と実現したところは、街の雰囲気が違いますね。

 12月8日に、住民の過半数を実現した長野県のある町にゆきました。9条の会の講演会がおわって、居酒屋へいって、二次会でご苦労さま打ち上げしたんですね、そこのマスターが出てきてね、「九条の会の事務局長小森さんですか」色紙持ってきてサインしてくれ、わたしは『九条の主張を世界に輝かせよう』と書いて、小森陽一とね、芸能人と並んで、ああここまで、雰囲気が変わるんだ。

2008年の4月第一週の読売新聞の世論調査は悔しそうに、15年振りに「憲法変えない方がいい」という人が「憲法変えた方がいい」という人を上回った。と報道していました。15年振りにって大事ですね。2008引く15、1993年。 最初の政権交代が自民党単独政権がくずれた細川護煕政権ができたときから、その前に延々湾岸戦争に出なかったというので、「9条があるから国際貢献が出来ない」という世論を小沢一郎がつくって、93年からクリントンが日米安保条約を継続させる為に、だって91年にソ連が崩壊しているわけですから、もはやソ連の核の傘の脅威って無いわけでしょう、そのときにクリントンは北朝鮮を訪問した。(米国人記者の救出)以来、「北朝鮮があるから9条は変えないといけないのではないか」というウソ。

 これを転換したのが2008年。世論というのは雰囲気や気分感情を含めたものです。本当にわたし達が地域のひとりひとりの顔を見て、あのうちは大丈夫「九条を生かす人だ」とわかってつかんでいれば揺るぎませんよ。でもそういう結びつきに成っていない所では、雰囲気で動いちゃう。2009年去年は丁度4月第一週、北朝鮮がロケットを発射する。これを日本は「ミサイル発射」という。当時の川村官房長官、「人口衛生が乗っていなかったからミサイル」といいます。違います。人工衛星が乗っていれば人口衛星の発射、弾頭が乗っていればミサイルの発射、なにも乗っていなければただのロケットの発射。それぞれの東北6県をミサイル防衛計画で、向こうが撃ってきたら、こちらからミサイルを打ち上げて落とすというんです。無理ですよ。むこうから撃ってきたピストルの玉をね、こっちから打ち落とす。玉と玉をネ、当てて撃ち落とす。誰ができるか、ゴルゴサーテ―ン位しかいない。今笑った人はビックコミックを読んでいる。そうゆうのを中継して、実況中継しているんですよ。ミサイルを打ち込むならば、まずミサイルを叩いてから打ち込む。北朝鮮に実況中継してどうするんです。やる気ないのは明かです、ただ国民を騒がせているだけです。

 そうやってね、号外まで出してねマスメデイアがあおりにあおってから、2010年もう一度「憲法変えた方がいい」という人が過半数になったんです。

まだ流動的なんです。

 ですから私たちは、日米安保条約が本当に日本の安全のためなんですか、根源的な機運が、沖縄ではですよ、全会派一致でアメリカの基地はもういらないと、普天間を返すだけで新しい基地はつくるなと言っているんですよ。沖縄は完全にもう九条の会運動状態になっている。こんなことは歴史上一度もなかった。今までそんなことを考えてみなかったことを、国民が毎日毎日、考える状態に来ているんです。

 ですから今、私たちが九条を守るだけではなくて、本当に生かしてゆくかどう、日本という国のあり方に、そしてアメリカとの関係を変えることができれば、さきほど品川さんがおっしゃたように、私たちが世界史を変えることが出来るんです。

 日本では拉致問題しか言われていない、六カ国協議に北朝鮮がもどってくるかどうかの正念場ですね。六カ国協議というのは日本では拉致問題しか報道されていませんが、めざしているのはまだ終わっていない。1953年私が生まれた年に、休戦協定だけを結んだ朝鮮戦争の講和条約をアメリカと北朝鮮が結ぶというための交渉なんですよ。なぜ講和条約を結んでないかというと、講和条約を結んじゃうと、日本にあれだけの米軍基地を置いている正当性が無くなるからなんです。いま大きな決定的な転換点に来ているんです。 今こそ九条の会の出番なんです。ここで私たちが手を抜くとですよ、なんとなく安倍さんやめて、もう明文改憲はでてこないんで大丈夫だ。国民投票法出来たけど、そんなにすぐには出てこないだろう、この気をぬいていると、やっぱり世論は変わってしまうんですよ。私たちが〃今こそ九条の会が出番なんだ〃と、お互い今日確認し合い、「九条守り生かす」ことこそが、最大の矛盾を変えてゆくことになる。九条はじめ憲法を守ることが私たちが生き抜くことにつながってゆく。そのことは、あの湯浅誠という、理論化であり活動家がすべての「法」からはじき出された人々、2008年から2009年の派遣村に厚生労働省の前にこのまま放置されたら、私は人間として生きて行けないという人たちが、25条掲げて直接なんとかせよと国家に向かってゆく、そういう場をつくったんです。憲法というのは、私たち一人ひとり主権者である人間としての尊厳をもった、一人ひとりが国家を縛る法律だということ。
わたしたち、目にものみせてやろうではありませんか。ともに、がんばって行きましょう。                                  (了)
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by 9jo-nara | 2010-05-09 10:07

第6回憲法講座「小森講演会」開催ー大盛況

 「九条の会」奈良などは、5月5日午後、奈良市・県文化会館小ホールで、小森陽一・九条の会事務局長(東大教授)を招いて第6回憲法講座を開催しました。320名が参加しました。

 講演「鳩山民主党政権と憲法九条のゆくえ」の中で、日米安保条約が軍事同盟と経済同盟の抱き合わせであることを小泉・安倍政権時の郵政民営化、国民投票法などで説明。民主党の小沢一郎幹事長も、湾岸戦争時に「解釈改憲を忘れてはいけないt述べました。

 「読売」の憲法世論調査で「改定しない方がよい」が近年増えているのは「全国の九条の会を草の根の力だ」とし、北海道新聞の社説で「04年に作家の故井上ひさしさんらの呼び掛けにより、個人の自由な意思で憲法を「守り」「生かす」ことを目的に発足した。 賛同が広がり、全国で7507(4月集計)の「九条の会」が活動している。 友人同士の集まりから、学校や地域、職場、趣味のグループに至るまで、「憲法」を語り合うさまざまな交流が行われている。 国民の中のこうした動きは政治の方向に影響を与えるに違いない。 人びとが声を上げることで、その精神はいっそう生かされていく」と九条の会が評価されていることを紹介。そのうえで「小学校区単位の九条の会をつくり、憲法を現実化する運動で平和な世界に変えよう」と強調しました。

 
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by 9jo-nara | 2010-05-07 11:32

小森陽一先生が引用された「北海道新聞」社説

小森陽一先生が引用された「北海道新聞」社説を資料として掲載します。

北海道新聞 5/3社説

憲法記念日 「平和」と「人権」生かして(5月3日)

 きょうの憲法記念日は、日本国憲法の理念を確認し、いまの政治が憲法の目指す方向に合致しているかを点検する絶好の機会だ。
 今年は日米安保条約改定50年の節目であり、折しも米軍普天間飛行場の移転が焦点となっている。一方、社会問題化した格差や貧困にどう対策を講じるかも重要である。
 憲法の2本柱は、第9条の「戦争の放棄」に示された平和主義と、第11条の「基本的人権」の尊重だ。その精神を問題解決に生かしたい。
 今月18日には改憲手続きを定めた国民投票法が施行される。憲法に向き合う国民の姿勢が試されることを忘れてはなるまい。

*鳩山政権の理念問う

 鳩山由紀夫首相に聞きたいのは、どんな政治を目指して懸案に取り組んでいるかだ。
 まず米軍普天間である。
 この問題を見るとき、沖縄の米軍基地がイラクとアフガニスタンという二つの戦争に深く組み込まれていることを指摘したい。
 自民党の小泉純一郎、安倍晋三の両政権は憲法改正を強く打ち出し、安倍首相は2007年に国民投票法を成立させた。
 イラク戦争を支持し、自衛隊の現地派遣に踏み切った小泉政権以来の「対米軍事協力」の流れと無縁ではない。「任期中の改憲」を公言した安倍氏の狙いが、憲法9条の改正にあったことは明白だろう。

 *鳩山政権の選択肢は二つだ。

 「国際平和の希求」をうたう憲法の精神に基づき日本の平和外交を追求するか、それとも旧来の対米追随を続けるか-である。
 想起すべきは航空自衛隊のイラクでの活動を9条違反と断じた名古屋高裁判決(08年)だ。憲法の平和主義を踏まえ、戦争への日本の加担に警鐘を鳴らしたと受け止めたい。
 だが普天間をめぐる政権の対応は移転先探しに終始し、沖縄の基地縮小に及んでいない。冷戦後の米軍駐留の是非を含め、日米安保条約を根本から問い直すときではないか。
 回り道のようでも、それが普天間問題を解決に導く原点となる。
 格差や貧困も放置できない。
 憲法前文の「平和のうちに生存する権利」とは、戦争放棄と基本的人権、生存権(第25条)が表裏一体であることを示している。
 自殺者が12年連続で3万人を超え老人の孤独死も伝えられる。非正規切りで職と住まいを失った若者には将来への不安が深まっている。
 憲法を空文にしてはなるまい。
 「いのちを守りたい」と施政方針を述べた鳩山首相は、人間性を回復する政治に全力をあげるべきだ。

*解釈改憲を懸念する

 鳩山首相は名うての改憲論者である。05年に著した「新憲法試案」では「自衛軍の保持」を明記し、集団的自衛権の行使も容認している。
 就任後「ベストな国のあり方のための憲法をつくりたい」と改憲への意欲を語ったこともあるが、当面、具体化させる考えはないようだ。
 首相がなすべきは改憲にエネルギーを注ぐことではあるまい。政権交代を選択した民意を踏まえ、社会の変革に力を尽くしてほしい。
 懸念するのは民主党の小沢一郎幹事長が主導する内閣法制局長官の国会答弁禁止だ。今国会で関連法案の成立を目指すという。
 内閣法制局は政府の憲法解釈を担ってきた。核心は平和主義と集団的自衛権の問題にある。自民党政権下ではイラクへの自衛隊派遣を「非戦闘地域なら合憲」とするなど、野党から解釈改憲との批判を浴びた。
 だが集団的自衛権の行使や国連軍参加には抑制を利かせてきた。
 小沢氏は自民党幹事長時代から、国連活動への参加なら武力行使を含んでも合憲だと主張し、違憲とする法制局と衝突してきた。
 法律をつくってまで法制局を排除しようとするのは政権に都合が良い解釈で9条を骨抜きにする意図ではないか。それには賛成できない。

*希望は人びとの声に


 憲法を生かすのは、国民の心構えにかかっている。憲法が保障する自由と権利は「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」(第12条)からだ。
 平和にせよ人権にせよ、憲法の精神を日常の暮らしに引き寄せ、具体的な問題として政治や行政に反映させることが大切だろう。
 たとえば「九条の会」の運動だ。04年に作家の故井上ひさしさんらの呼び掛けにより、個人の自由な意思で憲法を「守り」「生かす」ことを目的に発足した。
 賛同が広がり、北海道の496を含め全国で7507(4月集計)の「九条の会」が活動している。
 友人同士の集まりから、学校や地域、職場、趣味のグループに至るまで、「憲法」を語り合うさまざまな交流が行われている。
 国民の中のこうした動きは政治の方向に影響を与えるに違いない。
 憲法は生活の身近にある。
 人びとが声を上げることで、その精神はいっそう生かされていく。




北海道新聞社説5/5

首相沖縄訪問 辺野古案は公約に反する(5月5日)

 米軍普天間飛行場を県内に移転する。沖縄を訪れた鳩山由紀夫首相がそうした意向を地元に伝えた。
 決着期限とされた5月末まで残り1カ月を切り、普天間問題は重要な局面に差し掛かったと言える。
 だが、首相が携えた政府方針は沖縄の人々が思い描いてきた解決からはほど遠いものだった。
 「最低でも県外」-。昨年夏の衆院選で自ら主張した言葉に真っ向から反する内容だからだ。
 沖縄への率直な謝罪も口にしたが、到底理解は得られまい。
 公約に立ち戻り、ぎりぎりまで県外や国外の可能性を追求する。それが首相の責務である。

*普天間のたらい回し

 この7カ月余りは空費されたのか。沖縄県民は落胆しながら鳩山首相の言葉を聞いたことだろう。
 「すべてを県外にというのは現実的に難しい」。仲井真弘多知事との会談でそう語った。
 知事は「県外移設を期待する声は高まっている」と訴えた。
 沖縄には在日米軍基地の75%が集中する。過重な基地負担の軽減を首相公約に託したのは当然だ。
 自公政権時代は普天間を名護市辺野古にある米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に移転する計画だった。
 いま首相の念頭にあるのは場所を沖合に移し、工法を埋め立てからくい打ち桟橋方式に改める修正案だ。
 同時に普天間駐留の米海兵隊員を最大で千人、鹿児島県・徳之島に移転させることを検討している。それでも「基地たらい回し」の構図には何ら変わりがない。
 これは「辺野古」回帰であり、普天間移転に名を借りた米軍の新基地建設にほかならない。住民は事件、事故の危険性や日常的な騒音など新たな負担にさらされることになる。
 辺野古の海には国の天然記念物ジュゴンが生息する。首相は現行の埋め立て方式を「自然に対する冒涜(ぼうとく)」だとまで語っていた。
 修正案では海底に数千本もの鉄製支柱を打ち込み、その上を巨大な構造物で覆う。これが自然破壊でなくて何だろうか。
 沿岸部には1800メートルの滑走路が計画され、海兵隊の次期主力機となる垂直離着陸機MV22オスプレーの配備に備えるという。
 県民が求める基地の整理・縮小どころか増強につながる案ではないのか。「基地機能の一部」という首相発言がまやかしにも聞こえる。
 さらに米軍や自衛隊の基地がない徳之島に訓練などを移転させれば、逆に機能は拡張される。
 平和外交を掲げる日本の基本的立場に合致するとは思えない。

*海兵隊は必要なのか

 「抑止力の維持」-。首相が普天間飛行場の県外、国外移転が困難な理由として真っ先に挙げたのは、米軍の論理そのものだった。
 これまで政府内でどういう議論が行われてきたというのだろう。肝心な点が国民に知らされないままでは説得力を欠いている。
 首相は野党時代から「常時駐留なき日米安保」を持論としてきた。
 海兵隊の役割とは何か。沖縄駐留は日本防衛よりも中東などへの出撃をにらんだものではないのか。
 日本周辺の脅威を冷静に分析し、沖縄に「攻撃兵力」を配備する必要性を見極めることが大事だ。
 その上で安保体制と米軍基地を含め、冷戦後の「日米同盟」のあり方を検証し直す作業が求められる。
 首相が持論を早々に封印して根本論議を回避してきたのは、民主党内で外交・安保政策が収斂(しゅうれん)せず政権の軸足が定まらないためだ。
 「現行案が最善」という米側の言い分を突き崩せないまま決着期限が迫り、わずかの修正で歩み寄らざるを得なくなったのが実情だろう。


*民意踏まえ再検討を

 政権交代の意義さえ問われかねない事態である。問題はいかに立て直しを図っていくかだ。
 仲井真知事は首相との会談後に「県民の思いとずれがある。公約に従って検討してほしい」と注文した。
 地元合意なしに決定された現行案が、膠着(こうちゃく)状態に陥った現実を見据えた発言だろう。
 知事は政府の対応を「断片情報ばかりで全体像が見えない」とも批判した。既成事実を積み重ね、なし崩し的に話を進める。その危険を感じ取ったからに違いない。
 まず首相がなすべきは責任を持って最終的な政府案を取りまとめ、国民に対し明確に説明することだ。
 稲嶺進名護市長は「修正案は受け入れられない」と明言した。この案では今後、沖縄との協議を進めることはできまい。地元了解を重視する米側との交渉もままならない。
 原点に返り、再検討すべきだ。
 県内市町村長との懇談で「5月末の決着期限にこだわらなくてよい」との意見が出た。粘り強く公約実現に努めてほしいという要望だ。地元の声を真摯(しんし)に聴き移転案を練り直すことが政府の最優先の課題である。
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by 9jo-nara | 2010-05-06 09:30

第6回憲法講座ー小森陽一 憲法講演会

明日に迫る!第6回憲法講座
小森陽一 憲法講演会

日時 5月5日(こどもの日)  午後1時受付 1時30分開始

場所 県文化会館2階小ホール

参加 1000円の参加協力券がひつようです。

主催 「九条の会」奈良、奈良市内九条の会 ほか

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by 9jo-nara | 2010-05-05 13:26

本日、「朝日新聞」憲法意見広告掲載

本日、「朝日新聞」奈良版朝刊に「九条の会」奈良は、多くの賛同者・団体の協力をえて憲法意見広告を掲載しました。

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by 9jo-nara | 2010-05-03 06:59 | 新聞意見広告