「九条の会」奈良

2015年 08月 13日 ( 2 )


奈良弁護士会歴代会長有志による声明

安全保障関連法案の廃案を求める
   奈良弁護士会歴代会長有志による声明

 現在、国会で審議中の安全保障関連法案(以下「本法案」という。)については、日本弁護士連合会及び全国の52単位弁護士会のすべてが、憲法9条の戦争放棄・恒久平和主義に反し、本来、憲法改正によらなければならない事項について、法律の制定・改正のみで実現しようとするもので立憲主義にも反するとして、法案の撤回・廃案を求める決議や会長声明を公表している。
 奈良弁護士会も、6月15日に、「安全保障関連法案の廃案を求める会長声明」を公表しているところであるが、国会審議の過程で看過できない状況が生まれているので、歴代会長有志の名において、あえて本声明を発表するものである。
本法案については、とりわけ武力攻撃事態法及び自衛隊法の改正案において、集団的自衛権の行使は許されないとしてきた従来の政府解釈を180度転換して、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」(存立危機事態)には集団的自衛権の行使を認める場合があるとしている点について、大多数の憲法学者から違憲の指摘がなされ、元内閣法制局長官らからも違憲ないし従来の政府解釈からの逸脱が指摘されている。
 多数の国民の反対意見を無視し、違憲の疑いの強い本法案を、「数の力」により可決成立させることは、国民主権の基本原理にも反するものであり、到底認められない。
 戦前、弁護士会は、戦争の開始と拡大に対し反対を貫くことができなかったのみならず、軍への献納までせざるを得ない状態に追い込まれた。奈良弁護士会も、他の弁護士会と同様、数次にわたり軍への献納を行った経緯がある。
 戦後、弁護士及び弁護士会には「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という使命が与えられた(弁護士法1条)。今、弁護士及び弁護士会が「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という立場から意見を述べ行動しなければ、弁護士及び弁護士会は、先の大戦への真摯な反省と、そこから得た痛切な教訓を生かせないことになる。
 私たちは、憲法の恒久平和主義や基本的人権の保障及び立憲主義を守り抜くために、自衛隊の合憲性や憲法9条の改正問題についてどのような立場をとるかにかかわらず、本法案に強く反対し、廃案を求めると同時に、平和と人権、そして立憲主義を守る活動に市民と共に取り組む決意を表明するものである。
2015(平成27)年8月12日

奈良弁護士会歴代会長有志(五十音順)
朝守令彦  飯田 誠  以呂免義雄  内橋裕和  北岡秀晃
兒玉修一  相良博美  佐藤公一   佐藤真理  田川和幸
多田 実  田中啓義  中川和男   中西達也  中村 悟
中本 勝  西田正秀  福井英之   藤井茂久  藤本卓司
本家重忠  松岡康毅  三住 忍   峯田勝次  山﨑靖子
山田磯子  吉田恒俊            

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by 9jo-nara | 2015-08-13 12:44

安保関連法案に反対し廃案を求める天理大学教員有志声明

 安倍政権は、昨年7月1日に閣議決定をしてそれまで自民党政権時代も含めて歴代内閣が一貫して否定していた「集団的自衛権行使」の限定的容認をしました。その主な根拠として、1972年砂川事件最高裁判決、安全保障環境の変化を挙げております。これに対して憲法研究者を中心に批判の声が高まっております。メディア報道で周知のように、憲法研究者・行政法研究者等の圧倒的多数が「集団的自衛権行使」容認を基本とする安保関連法案(以下法案とする)は「違憲」であると指摘しております。

 たとえば、今年7月11日朝日新聞掲載のアンケート結果では、回答を寄せた憲法研究者の122名中違憲104名・違憲可能性15名=119名(98%)の憲法研究者が違憲または違憲の可能性を指摘しております、合憲と回答した者は2名(0.17%)だけでした。また、6月末に行われた公法学研究者に対するNHK緊急アンケート結果は7月23日の「クローズアップ現代」で紹介されましたが、公法学研究者の90%以上が違憲・違憲の疑いがある、5%だけが合憲であると回答しました。さらに、ノーベル賞受賞研究者も含む多様な分野の多数の研究者から、法案が違憲であり、日本が戦争に巻き込まれることを危惧する声が挙がっております。当然、憲法研究者を中心に安倍政権が推し進める法案は、根拠が妥当でなく違憲な立法でありそれを押し通すことは「法的安定性を欠く」「立憲主義に反する」「法の支配を逸脱する」といった批判が噴出しております。

 ところが、安倍政権は、このような多くの研究者の声に耳を傾けることなく7月16日に衆議院で採決・可決するに至りました。審議を十分尽くしたということが理由でしたが、11本からなる重要な法案をわずか110時間強の審議というきわめて不十分なプロセスでの採決・可決でした。国民のなかからも「説明不足である」「内容がよくわからない」「戦争に巻き込まれる不安を感じる」という声が数多く挙がっております。

 参議院に審議の場が移されてからは、安倍政権はもっぱら「中国、北朝鮮による脅威論」に基づいて法案が日本の安全・防衛のために必要だと強調しだしています。しかし、そもそも「仮想敵国」を名指してその脅威を唱えることは、アジアでの緊張関係を「外交努力」ではなく「軍事力」によって抑止していくという果てしない「軍拡競争に陥る」危険性を孕んでおります。また、たとえ「他国の軍事的脅威」が存在するとしてもそれはまさに「個別的自衛権」に関わる問題であり、「集団的自衛権行使」とは直接関係がありません。

 私たちは、天理大学で研究・教育する者として、安倍政権の強引な法案成立を試みる対応には大きな疑問を抱かざるをえません。戦争のない平和な世界をも志向する内容である「陽気ぐらし」という理念、「他者への献身」という平和のために献身するという内容も含んでいる「建学の精神」からは、「違憲立法」でありかつ他国の戦争に日本が巻き込まれる恐れがある法案には反対の声を挙げざるをえません。この機会に、天理大学でも教職員・学生が、「軍事力」を通してではなく、「対話」「外交努力」を通して日本及び世界の平和・安全をどう構築していくのかを議論していくことがきわめて重要であると考えます。戦後70年の節目に、世界的にもブランドである「平和憲法」の意義を再確認する必要があるといえます。

 上記のような理由から、私たちは、安倍政権の法案に反対し廃案にすべきことを求めます。そして、天理大学教職員、学生、卒業生の皆様にもこの声明に賛同の声を寄せていただき共に日本及び世界の平和・安全をどう構築していくのかを考えていくことを切に希望します。



2015年8月6日   

 広島原爆投下70年の日に犠牲者・関係者の皆様に黙祷し平和の意味を噛みしめながら
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by 9jo-nara | 2015-08-13 10:31